昨年夏から始めた断捨離(R)。
最後に着てから数年、ろくに手入れもせず、ダンボールに入ったまま数年放置していた浴衣を先日、手放した。
なかなか捨てる決心がつかなかったのにはいくつか理由があるのだけど、
一番大きな理由は、中学時代にいまは亡き祖母が手縫いで作ってくれたものであることだった。
祖母の形見。そんなふうに考えていた。
上京してからもこっちの住まいに持ってきて、ときどき着てはいたけれど。
結婚して、子供が生まれてからは一度も袖を通さないまま。
自分の持ち物の管理にまで手が回らなくて、クローゼットの片隅にずっと押しやられていた。
最後に風を通したのもいつだっけ?って感じで。
いまの部屋に引っ越してきてからも、開かずの段ボールに入ったまま2年以上経過していた。
気にはなっていたけれど、、、
開けるのが怖い。
見るのが怖い。
一体どうなっちゃってるんだろう。
カビてるかも。
おばあちゃんが作ってくれたものなのに。
ちゃんと管理していなかった自分を責める言葉ばかりが頭に浮かぶ。
でも、部屋の片隅に残っている段ボールがこれだけになったとき、開けようと思った。
そして、出てきたのがコレ↓↓↓
思っていたよりはひどくはなかったけれど、
衿の周りがだいぶ汚れていて、擦り切れかけていた。
クリーニングに出して、もう一回着るか?と自分に問うてみた答えは、
「No」だった。
直視してみて、もう、これは卒業だな、と思った。
サヨナラ、私の青春。
同時に、学生時代の淡い思い出も浮かんできて、
「あのとき、この浴衣着て、あの人と花火大会に行ってたら、私の人生、何か変わっていたのかな」
なんて思ってしまった。
ううん、違う。
「あのとき、あの人とこの浴衣着てデートしたかったんだな」
と、封印していた自分の気持ちに気づいてしまった。
あのときの自分は本当に自分のことしか考えられない子供だった。
今思えば、「あなた、何を守りたかったの?」と過去の自分に問いたい。
向き合えなくて、ごめん。
自分にも、あの人にも。
でも、あのとき出会えてよかった。
と、いまは思う。私はね。
相手はどう思っているかわからないし、憎んでるかもしれない。
そもそも私のことなんて覚えてすらいないかもしれない。
でも、それでいい。
ありがとう。
そう言って、サヨナラした。
1つ、大人になれたかな。