2月3日。
都内の公立中高一貫校の入試日。
実は、1日の私立中高一貫校の受験は、私が体調を崩して付き添いができないというハプニングがあり。
長女が心も体も無事に当日を迎えられるか、母としては非常に不安だったのだけれど。
何とか当日を迎えられた。
志望校の校門をくぐり、校舎の中へ入っていく長女。
その後ろ姿を見送って、親にできることは全てやったという安堵と開放感に満たされた。
あ~、よかった。
あ~、終わった。
我が家の長女が塾に入って、真剣に受検勉強に突入したのが昨年の3月。
この約11か月、振り返るといろんなことがあった。
受検したいと言いだしたのは子どものほうだけど、
お試しで受けてみた最初の模擬試験で偏差値30台を叩き出し、今までなんとなく持っていた自信を完全にへし折られ。
劣等感からのスタート。
反抗期に差し掛かり、言葉遣いも荒くなる。
そして、テレビやインターネットが大好きでメディア時間がなかなか勉強に手が付かない。
模試の偏差値が足りなくて、夏休みの志望校別のゼミに参加できなかったし。
その前後(夏から秋にかけて)は胃腸の具合が悪くなったり、新型コロナにもかかって、学校にも塾にも通えなくて。
母親としても試練の数か月。
秋以降は、塾の日の夕方になると長女から携帯に「ママ、塾休んでもいい?」コールがやって来るのが辛かった。
冬休み明けに言われたのが、これは「ママに励ましてほしかった」という長女の甘えの表現だったらしいのだけれど。
心を鬼にして、「ダメ」「とりあえず行きなさい」と手を変え、品を変え、説得するのはストレスだった。
塾の始まる時間の前にスマホで入室のチェックをして、ちゃんと時間通りに入室しているのがわかると職場で胸をなでおろしていた。
夏の志望校別ゼミの偏差値が足りなかったときは、中学での受験はあきらめて、高校入試クラスに編入した方がいいのかとも迷った。
ちょうど面談の時期だったので、塾の先生にそのことを伝えると、
「高校入試の子はまだまだのんびりしているので、クラスの雰囲気が全然違う。このまま中学受検クラスで行くほうが勉強するし、適性検査の勉強は大人になっても役立ちます」
と言われて。
塾の先生も商売だからそう言っている面もあると思いつつ、親としての覚悟が定まった瞬間でもあった。
ふり返れば、この一年は長女を取り巻く大人の人たちにたくさん助けられた。
塾の先生。
学校の担任の先生、保健室の先生、校医の先生。
困っている長女と私にそれぞれの立場から手を差し伸べてくれた。
本当に感謝している。
試験の当日。
「じゃ」と言って校舎に入っていく長女の後ろ姿は頼もしかった。
万が一、体温が高くて長女が戻ってくると困る、と5分ほど外で待っていた。
何人もの受検生を「みんな、がんばれ~」とゆるく見送っていたが、中には「ドキドキする。まだ行きたくない」と親からなかなか離れない子もいた。
色んな子がいるなあ。
試験が終わって戻って来た長女の表情は清々しかった。
1月の私立受験では書ききれなかった作文も、全部書けたという。
適Ⅱの問題は時間がなくて一つできなかったというけれど、全体を見てできる問題からやっていったとのこと。
長女いわく、「隣の子は作文書き終わってなかったし、反対側の隣の子は試験おわってから泣きそうになっていた」とのこと。
対策をしっかりしてきた子、してきたけど実力を発揮できなかった子。色々いると思う。
そんな中で、結果はどうあれ、いまの力は回答用紙にぶつけられたようだ。
それが何よりも嬉しかった。
「中学受験は当日まで伸びる」と一昨年やってたドラマ『二月の勝者』で言っていたけれど、それは本当かもしれない。
直前2週間は学校を休んで、自主的に一日10時間勉強をしていた。
長女は1日に受けた私立で合格をもらった。
それも、3日の本番前に、少し心に余裕を持たせていたのかもしれない。
公立の結果がついてくれば万々歳。
合格できなかったとしても、ここまで頑張ってきたことは無駄ではなかったと思う。
ゴールまで走り抜けた長女を、心から誇りに思う。
おつかれさま。
おめでとう。