今週、8月26日に米国資産運用会社大手のバンガード・グループが日本と香港向けの投資商品の販売事業からの撤退を明らかにした。
成長の見込める中国本土に経営資源を振り向けるためだという。
余談だが、私が20代後半で初めて証券口座を作ったマネックス証券でもバンガードが運用する投信を扱っていてので、一時期保有していたこともある(その後、日系の大手証券会社に勤務することになったのを機に口座を解約しなければならなくなり、投信も解約)。
このニュースを目にして、思い浮かんだのは、
ジャパン・パッシング
というワード。
アメリカの金融機関が(太平洋をわたってきた場合、地理的に手前にある)日本を通り越して、成長を見込める中国に行くこと、
という意味合いだったと思う。
2007~2008年に当時勤務していた外銀の在日支店で、日本市場はスルーされると危機感を持っていた。
幸か不幸か、2008年秋のリーマンショックで相対的に日本の世界における地位が上がったため、危機感は一旦は払拭された形になった。
ただし、日本が魅力的な市場だったわけではなく、あくまで、投資資金の避難先ということだったので、
日本市場が投資家からの期待に添えなければ、投資は引き上げるということなのだろう。
その直後の8月28日、安倍総理が辞任を表明。
長い間日本のトップとして外交に注力され、アベノミクスの牽引役として、資本市場への貢献度も高かった安倍総理。
長い間ありがとう、という気持ちと、このタイミングで?という思いと。。。
これが、ジャパン・パッシングの始まりにらなければよいが…という懸念もあるが、
この現実を受け止めて、企業も、個人も、投資対象としての魅力を高めていくときなのだと思う。
もう、長いものに巻かれるだけで生きていける時代ではないし、
駄々をこねる人が得できるほどの袖(お金)を、もうこの国は持っていないのだ。